6位から首位へ。大岩剛監督は
どうやってアントラーズを蘇らせたのか

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

―― 選手に与えるばかりで、考えさせることができなかったということですよね?

大岩 そういうことです。選手と同様、指導者もやっぱり失敗するわけですよ。今日は選手たちに言いすぎてしまったなとか、全然トレーニングがうまくいかなかったなとか。だから、明日は選手にこうアプローチをしようかなとか、トレーニング内容をこう改善しようかなと、日々学んでいくわけです。という意味では、指導者も選手と一緒で、要するに積み重ね。僕は指導者になって今年で7年目。そのうち5年間くらいがコーチのアシスタントだったわけです。それが監督のアシスタントコーチになり、徐々に段階が上がっていく。その都度、その都度、場数を踏み、経験を積んで、監督になる道を作ってもらってきたんです。

 今、言ったことは監督になってからも同じ。選手に言いすぎてしまってはダメなように、今度はスタッフにも、自分がやりたいことを言いすぎてはいけないわけですよ。「自分が目指すところ、やりたいことはこれだよ」と示しつつ、たとえばポジション別練習だったら、ヤナ(柳沢敦)やハネ(羽田憲司)にしっかりと任せる。本当に指導者になったばかりのころは、一生懸命あれもこれも教えようとしすぎて、やりすぎてしまうところがありましたよね。

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