今度こそ絶対、悲願のタイトルを。
中村憲剛がフロンターレを頂点に導く

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 タイムアップのホイッスルが鳴った瞬間、両チームの選手たちはバタバタとピッチに倒れ込んだ。苦悶にゆがむ彼らの表情が、死力を尽くした激闘を物語っていた。

中村憲剛の活躍で川崎フロンターレがルヴァンカップ決勝に進出中村憲剛の活躍で川崎フロンターレがルヴァンカップ決勝に進出 10月8日に等々力競技場で行なわれた川崎フロンターレとベガルタ仙台によるルヴァンカップ準決勝第2戦は、ホーム&アウェー形式によるトーナメントの醍醐味が凝縮されていた。

 激闘のシナリオは、4日前に仙台のホームで行なわれた第1戦がプロローグとなった。ホームの後押しを受け勢いに乗る仙台の前に、川崎Fは防戦を余儀なくされる。あっさりと最終ラインを打ち破られ、前半だけで3失点。このままでは第2戦を迎える前に敗退が決定的となるところだった。

 しかし、72分にDF奈良竜樹が1点を返すと、後半アディショナルタイムに大卒ルーキーのFW知念慶が2点目を奪取。結局、2−3と敗れたものの、ふたつのアウェーゴールを奪ったことで、大きな希望を携えて第2戦に臨むことができた。

 ホームで迎えた第2戦。川崎Fは立ち上がりから攻勢を仕掛けた。なかなかゴールを奪えなかったものの、29分にMF中村憲剛の鮮やかなヒールパスに抜け出したMF三好康児が先制点を奪取。これで2戦合計3−3ながら、アウェーゴールで上回ることに成功。さらに後半立ち上がりにもふたたび三好がゴールを奪い、川崎Fは圧倒的に優位な状況を手にした。

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