「結局は鹿島」なのか。J逆転優勝へ、福田正博から川崎と柏に檄! (4ページ目)

  • 津金壱郎●構成 text by Tsugane Ichiro
  • 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki

 大島の代わりに中村憲剛をボランチに下げてエドゥアルド・ネットとコンビを組ませるなどの対処はできる。ただ、中村がよりゴールに近いトップ下からボランチに下がる影響は少なくないはずで、その穴をどこまで埋められるかに、首位追走のすべてがかかっている。

 また、川崎はリーグ戦だけではなく、Jリーグカップや天皇杯でも優勝の可能性を残している。大島を欠く状況でどこまで"らしい"サッカーを展開できるかが、シーズン終盤のポイントになるだろう。

 一方、今季の柏は、武富孝介や中川寛斗を攻撃的なポジションに起用し、前線からの守備を重視した戦術がハマって一時は首位に立った。その後、相手に研究されてからは思うように勝ち点を伸ばせずにいたが、ハモン・ロペスを起用するなどして挽回し、さらに27節では久しぶりに武富を先発で起用して結果につなげている。

 司令塔の手塚康平が負傷離脱したことは痛いが、ボランチにキム・ボギョンが補強され、CBの中山雄太、中谷進之介とGKの中村航輔といった若い守備陣も奮闘している。再びいい流れが生まれているといえるだろう。
 
 しかし、今季の逆転優勝を実現させるために、欠けていると思ってしまう要素がある。それは、「勝利にこだわる荒々しさ」だ。キムやクリスティアーノら外国人選手には、そうしたタフさを感じられるが、若い選手や、クラブのスタッフ、サポーターたちからは、「何が何でも優勝するんだ!」という迫力がいまひとつ感じられない。

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