「結局は鹿島」なのか。J逆転優勝へ、福田正博から川崎と柏に檄! (2ページ目)

  • 津金壱郎●構成 text by Tsugane Ichiro
  • 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki

 そのなかで、最もハマっているのがMFのレアンドロだ。開幕前に鹿島に加わったが、突出したスピードはなく、身長177cmはJリーガーの平均身長とあまり変わらない。これといった武器が見つからなかったため、チームにフィットするには時間がかかると思っていた。

 実際、石井正忠前監督の指揮下では、リーグ戦で先発出場したのは2試合のみ。しかし、新体制に移行してからスタメンの座に収まると、ボールは失わないし、ゴールも決めて、攻守両面でチームに貢献。レアンドロが、"大岩アントラーズ"の体現者になっている。

 こうした選手起用は、大岩監督がコーチとしてチームを支えてきた経験が活きているということだろう。コーチ時代に選手をしっかり見る時間があり、チームの流れを把握できているという利点を、監督になって十分活かしているといえる。

 今季は鹿島のほかに、浦和レッズ、サンフレッチェ広島、FC東京、ヴィッセル神戸、アルビレックス新潟でシーズン中の監督交代があった。交代後も中位以下で苦戦しているチームもあるなか、鹿島が息を吹き返すことができたのは、優勝という目標から逆算したクラブの"決断の早さの差"にあったと見るべきだ。

 世界各国のリーグを見ても、シーズン途中に監督を交代しても結果につながらないケースが多い。そうしたなかで鹿島は、優勝を目標としていたACLで敗退したとはいえ、リーグ戦では7位ながら首位との勝ち点6差と、十分に巻き返しが期待できる状況で監督交代に踏み切った。

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