劇的な決勝弾すら「平常運転」の鹿島。ふたたび黄金時代が到来か (4ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 3冠を達成するなど数多くのタイトルを獲得した1990年代後半や2000年代前半にかけて、あるいは3連覇を達成した2007年から2009年の時期など、これまで鹿島は何度か黄金期と呼ばれる時代を過ごしている。そして昨季のリーグ制覇をきっかけに、ふたたびその黄金時代が訪れようとしている。

 その黄金期を築いてきた、鹿島のアイデンティティとも言える伝統の勝負強さはこの日も健在だった。ふたつのゴールはともに、前・後半のアディショナルタイムに生まれたものである。もっとも昌子は、その勝負強さの要因を冷静に分析している。

「勝負強いって言われますが、僕らが勝っているのもあるけど、そういうときに他のチームが引き分けたりするから、僕らが余計に勝負強いと思われるんじゃないでしょうか。僕らは優勝に向かって、何が何でも勝つという姿勢でやっていて、それを表現できているだけなんです」

「だけ」と、昌子はさらりと言ってのけるが、その"だけ"がどれだけ困難なことか。勝利を追い求め、いかなる展開に追い込まれても、最終的に結果を手に入れてしまう。そんな強さを身につけてしまった今の鹿島に、もはや死角は見当たらない。

■Jリーグ 記事一覧>>

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る