劇的な決勝弾すら「平常運転」の鹿島。ふたたび黄金時代が到来か

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 劇的な決勝弾も、そうなると思っていたから、大して驚きはなかった。1−1で迎えた後半アディショナルタイム、MF永木亮太のコーナーキックをDF植田直通が強烈なヘッドで叩きつけ、鹿島アントラーズが土壇場でガンバ大阪を下した。

アディショナルタイムに決勝ゴールを決めた植田直通(左)アディショナルタイムに決勝ゴールを決めた植田直通(左) そうなると思っていたのにはわけがある。試合の流れを考えれば、鹿島が勝つのが当然の展開だったからだ。

「スコアは2−1ですけど、今季イチといいますか、ガンバさん相手にあれだけできるという力を示せた意味で、非常に評価していいんじゃないかと思います」

 大岩剛監督のコメントは、大いに納得できるものだ。とりわけ後半はほとんどワンサイドマッチといった様相で、一方的にG大阪を攻め立てた。それほどまでに両者の間には、歴然たる力の差が横たわっていた。

 もっとも、王者の力をまざまざと見せつけた鹿島にしても、もっとも立ち上がりから盤石だったわけではない。開始7分、ロングフィード1本でピンチを招き、FWファン・ウィジョに意表を突かれるミドルを叩き込まれてしまったのだ。

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