福田正博の実感は「ハリルにスタイルなし、結果を求めるリアリスト」 (4ページ目)

  • 津金壱郎●構成 text by Tsugane Ichiro
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 言わずもがな、日本代表にとってW杯までの約9カ月をどう過ごすのかはとても重要になる。ブラジルW杯では、出場権を獲得した直後の2013年11月にオランダ代表と対戦して2−2の引き分け、本大会への期待が高まったが、結局はグループリーグ1分け2敗で敗退。ドイツW杯でも大会前にドイツとのテストマッチで引き分けたが、1分け2敗でグループリーグ敗退。強豪国といい試合をするものの、本番での結果に結びついていない。

 本番前にいい試合をしてしまうと、安心感からか、そこからチーム力を上げることが難しくなるともいえる。あえて強豪国と強化試合を組むよりも、グループリーグの対戦国を想定してチーム作りを行なっていくことを優先してもらいたい。

 ハリルホジッチ監督は、ブラジルW杯でアルジェリアを率いてグループリーグを突破し、決勝トーナメント1回戦ではこの大会で優勝したドイツを延長戦まで追い詰めた。相手を研究・分析しながら選手起用や戦術を変えた手腕を、日本代表でも活かせるかどうかは、本番までの時間の使い方にかかっている。

 長らく日本代表の中心だった本田圭佑や香川真司も、レギュラー争いに身を置くことになった。現状は新戦力に後れを取っているが、12月にW杯の対戦相手が決まり、その研究・分析が進むことで、彼らの力が再びクローズアップされる可能性もある。

 日本代表をロシアW杯でグループリーグ突破に導くために、今後、ハリルホジッチ監督はどういった選手たちを招集してチームを練り上げていくのか。その手腕を、これまで以上に注目して見ていきたい。

■サッカー代表記事一覧>>

■福田正博 フォーメーション進化論 一覧>>

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る