福田正博の実感は「ハリルにスタイルなし、結果を求めるリアリスト」 (2ページ目)

  • 津金壱郎●構成 text by Tsugane Ichiro
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 そうしたなかで、狙い通りに試合を進められたのがオーストラリア戦だった。アウェーで1-1の引き分けに終わった試合も内容はよかったが、先日のホーム埼玉スタジアムでの試合は、より理想的な展開で勝利をつかんだ。

 ホームで完勝できた要因には、井手口陽介、山口蛍というボール奪取能力の高い選手ふたりをインサイドハーフに並べ、その後ろに長谷部誠を置いたことが大きい。こうした布陣で臨むことができたのは、「オーストラリアがロングボールを捨てて、中盤からパスでつないでくる」というスカウティングをしっかりやっていたからだ。

 そのため、相手の良さを消しながら、自分たちの狙い通りの展開に持ち込むことができた。ただし、これはパスサッカーへの転換を図るオーストラリアが、自分たちのポゼッションスタイルを貫くことに固執したことが幸いしたともいえる。

 実際、日本代表の戦い方を研究してきたサウジアラビアは、その弱点を突くプレーを随所に見せた。この試合では、チームを離脱した長谷部に代わって山口をアンカーに据え、井手口と並ぶポジションには柴崎岳を起用したが、アンカーの山口の両サイドのスペースをサウジアラビアに使われ、攻撃を跳ね返すのに苦労することになった。

2 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る