監督交代で勝ったFC東京への疑問。ところで来季はどこへ向かうのか

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by AFLO

 優勝争いにも残留争いにも絡まないFC東京とベガルタ仙台の一戦で注目されたのは、FC東京の監督交代劇だった。前節、セレッソ大阪に完敗を喫すると、FC東京は篠田善之監督の解任を発表。後任に安間貴義コーチを昇格させた。

4試合ぶりの勝利に大久保嘉人(中央)も笑顔を見せたのだが......4試合ぶりの勝利に大久保嘉人(中央)も笑顔を見せたのだが...... 現在48歳の安間監督だが、指導キャリアはすでに16年を数える。現役時代はJFLの本田技研(現Honda FC)でプレーし、引退したのは2001年――まだ32歳のときだった。翌年から監督の大役を任されると、見事にチームを優勝に導いた。そのころ、駆け出しの記者だった筆者はJFL担当を任されており、初めて取材したのが安間監督率いるHonda FCの試合だった。

 それまでの記録を見るにつけ、ほとんどの試合で完封勝利を収めており、その試合でも見事に無失点で終えていた。だから試合後、安間監督に「守備が素晴らしいチームですね」と投げかけると、ちょっとむっとした表情で「うちは攻撃のチームですから」と返されてしまった。

 認識不足で無礼を働いたわけだが、つまり、安間監督は指導者のキャリアを歩み始めたころから、攻撃に対する揺るぎない信念を備えていたのだ。

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