ラモス、カズ...夢舞台を手作りした永井秀樹「引退試合」ドキュメント (2ページ目)

  • 会津泰成●文・撮影 text&photo by Aizu Yasunari

 選手も『J LEGENDS』は、永島昭浩氏、福田正博氏、山口素弘氏、澤登正朗氏といった各クラブのレジェンド、往年の名選手が勢ぞろい。リーグ戦の合間を縫って駆けつけたFC東京の大久保嘉人や横浜F・マリノスの齋藤学ら、日本代表クラスの現役プレーヤーが袖に追いやられるほどの、豪華メンバーが集結した。

 一方、『VERDY LEGENDS』のメンバーも、脳梗塞で倒れてリハビリをしていたラモス瑠偉氏をはじめ、北澤豪氏、武田修宏氏、そしてシーズン中にもかかわらず、『キング・カズ』こと三浦知良(横浜FC)が参加を表明。Jリーグ開幕時に爆発的な人気を誇った、ヴェルディ黄金時代の面々がほぼ顔をそろえたのだ。永井が言う。

「当初の予定どおり2月に開催していたら、残念ながらラモスさんはピッチに立てなかった。でも、リハビリで驚異的な回復を見せて、自分が引退試合参加のお願いをすると、現役時代さながらの熱い気持ちを持って、本番に備えてくださった。カズさんもシーズン中なのに来場を快諾していただき、横浜FCも気持ちよく送り出してくださった。

 カズさんがヴェルディのユニフォームに袖を通したのは、1998年以来19年ぶり。『10番』をつけたラモスさんと『11番』をつけたカズさんが、同じピッチの上で、同じヴェルディのユニフォームを着て並ぶ日が再び来るとは、自分も含めて誰も想像していなかったと思う」

 告知や宣伝活動がままならない中、西が丘サッカー場のスタンドはメイン、バックを問わず大勢のファンで埋まった。齋藤の他、当日の参加は叶わなかった清武弘嗣(セレッソ大阪)や西川周作(浦和レッズ)など、永井を慕う現役のトッププレーヤーたちが自身のTwitterで、この引退試合について呟き、SNSで拡散してくれたことも大いに影響を及ぼしたと思われる。

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