ポドルスキより使えるかも。タイ代表・チャナティップが札幌を救う (4ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 なるほどチャナティップが言うように、もっと慣れてくれば、さらに際立った活躍を見せられるだろうし、さらに言えば、来季以降、J1の上位クラブが獲得に動く可能性も十分にあるだろう。それほど、タイのスターは光り輝いている。

 これまで東南アジアからやってきた選手が、Jリーグでなかなか活躍できなかったといっても、それはインドネシアやベトナムの話。タイは別格だったということだろう。昨年途中までベトナム代表を率いていた三浦俊也監督から当時、「ベトナムが強くなってきたといっても、東南アジアではタイの力が抜けている」と肌感覚での実感を聞いたことがあるが、Jリーグでもそれが証明される形となった。

 では、タイ代表の主力級であれば、J1でもこれくらいのプレーはできるのだろうか。つまり、今後、チャナティップに続く選手は出てくる可能性もあるのだろうか。

 そんな疑問を前出の中村にぶつけると、「ああいう選手が出てくることで(Jリーグの東南アジアへの)マーケット拡大につながればいい」としながらも、「他にもいい選手はいるけれど、彼は特別ではないかと思う」と語る。やはりあれほどの才能は、東南アジアの雄においても稀(まれ)ということだろう。

 奈良もまた、「タイの選手は小柄だが、ボールを扱う技術に長けていて、日本人に似ているところがある。だから、日本に適応しやすいのではないか」と、タイ人選手のJリーグへの適性の高さは認めたうえで、「でも逆に、日本人と似ているから(あえてタイ人選手を獲得する必要はない)、というのもあるかもしれない」と、第2のチャナティップ誕生には懐疑的だ。

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