ポドルスキより使えるかも。タイ代表・チャナティップが札幌を救う (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 過去、同じ東南アジアのインドネシアやベトナムからもJリーグにやってきた選手がいたが、話題先行の感が強く、さしたる活躍もできずに帰国するケースが続いたことも、そんな見方を強くしたに違いない。

 しかし、チャナティップはレベルが違った。

 今年7月、新たなに選手登録されると、リーグ戦ではJ1第19節の浦和レッズ戦で先発デビュー。2-0の勝利に貢献して以来、6試合連続出場中だ。

 しかも、ただ出場しているだけではない。試合を重ねるごとにボールに関わる回数が増え、もはや札幌の攻撃の中心には彼がいる、と言っても大袈裟ではないほどだ。

 タイミングよくスペースを見つけてパスを受け、前が空けばドリブルで仕掛け、相手がドリブルを警戒してくれば、フリーになっている味方を見つけて効果的なパスを出す。決して独りよがりになるわけではなく、チームのなかで自分の長所を発揮することができている。158cmという小さな体から放たれる存在感が、日に日に強まっていることは間違いない。札幌の四方田修平監督が語る。

「彼のよさであるテクニックを生かして、相手の守備ブロックのなかでボールを展開したり、スピードを生かして局面を打開したりする。そういうことがJ1のなかで出せている」

 当然、チャナティップ本人も手応えを感じているようで、「タイにいたときよりもコンディションはいい。やっているうちに、どんどん慣れてきた」と、幼さの残る顔をほころばせ、うれしそうに話す。

2 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る