J2降格圏にあえぐ大宮と広島。「奇跡の残留」あるとすればどっちか (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Hiroki Watanabe - JL/Getty Images for DAZN

 昨季5位の大宮と、同6位の広島。1年前はともに上位に進出しながら、互いに歩調を合わせるように今季開幕直後から降格圏をさまよう両クラブは、勝ち点や順位といった"外見"ばかりでなく、"中身"もまた非常に似た状況にあると言っていい。

 まずは、シーズン途中で監督交代に踏み切ったこと。そして、その効果が劇的には表れていないことでも共通する。今節を含めた最近5試合のリーグ戦成績は、大宮が1勝2敗2分け、広島が2勝1敗2分けと、白星を並べられない状況が続いている。

 伊藤監督曰く、大宮は「それまで失点が多かったので、(7月のリーグ戦の)中断期間では守備面を意識してトレーニングした」が、その結果、「攻撃のよさ、アグレッシブさが消えてしまった」という。なるほどチーム立て直しの"さじ加減"がいかに難しいかは、この試合にも表れていた。「選手とコミュニケーションを取って、これまでどういうサッカーをしてきたか、に立ち返った」ことで、本来のアグレッシブさは十分に見せたものの、今度は守備が耐え切れず、先に失点してしまっている。

「後ろ(守備陣)がしっかりしていれば、もっと上(の順位)にいける。点を取れる力はあるので、あとは後ろがゼロに抑えられるようにしたい」

 そう語るキャプテン菊地の言葉からは、攻守がかみ合わず、なかなか結果につながらない歯がゆさがうかがえる。

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