2017.08.25

新国立競技場にサッカーファンの疑問。
スタンドがなだらかすぎないか?

  • 杉山茂樹●文・写真 text & photo by Sugiyama Shigeki

 3階の傾斜角はまずまずだが、観客は1階席から埋まっていく。大入りが見込めない試合では、3階席を開放しないのが通例だ。

 参考までに、見やすいとされる国内のスタジアムとそのスタンド傾斜角を紹介すれば、次のようになる。

・吹田スタジアム=35度
・北九州ミクニワールドスタジアム=37度
・豊田スタジアム=38度
・鳥栖ベストアメニティスタジアム=40度

 いずれも2階席の傾斜角だが、1階席も遜色なく、スタジアムは全体的に急傾斜のスタンドに覆われている。

 海外では、アムステルダム・アレーナ、サンティアゴ・ベルナベウ(マドリード)、サンシーロ(ミラノ)、メスタージャ(バレンシア)などが、38度を超える急傾斜のスタジアムとして知られている。

 3万4000人もの観衆が10度台の視角でサッカー観戦を強いられることになる新築スタジアム。世界広しといえども、そうザラにはない珍しいスタジアムだ。

 陸上トラックのない球技専用スタジアムの魅力はと問われれば、多くの人は臨場感をまず挙げる。ピッチとスタンドの距離が近いので、臨場感が堪能できると。それはそれで確かに魅力だが、それがすべてではない。臨場感を味わうことだけがサッカーの楽しみ方ではない。