満身創痍の日本代表に、福田正博が熱望する「補強カード」は杉本健勇 (2ページ目)

  • 津金壱郎●構成 text by Tsugane Ichiro
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 また、右足首靭帯を負傷した大迫勇也も、復帰が8月末になると見られている。昨シーズン終盤にヒザを痛めて手術した長谷部誠は、8月20日のブンデスリーガ開幕戦でフル出場したものの、何とかプレーできる程度なのか、万全の状態に戻ったのかは微妙なところ。さらに、昨年に日本代表の救世主となった原口元気は、移籍問題からヘルタで構想外ともいわれ、開幕戦は途中出場したもののプレシーズンに満足な実戦の場を得られていない。

 そうした中、守備陣の要である吉田麻也が故障したという情報が8月上旬に入ってきた。これは吉田本人が自身のブログで誤報であると明かしたが、オーストラリア戦を吉田抜きで臨むことになっていれば、"絶体絶命"の状況に追い込まれていただろう。

 日本代表のセンターバック陣はただでさえ層が薄いうえ、代表経験が豊富な森重真人もケガを負って長期離脱中。仮に吉田が本当にケガをしていて出場できず、森重も間に合わないとなったら、前回のイラク戦で代表デビューを飾ったばかりの昌子源が、植田直通や三浦弦太といった代表出場経験のない選手とコンビを組むことになっていたからだ。

 吉田は所属するサウサンプトンで元気な姿を見せているが、故障を抱える選手たちがどの程度まで回復しているのかを見極めることは重要だ。練習に参加できるレベルなのか、試合で激しい動きをしても問題ないレベルなのか。オーストラリア戦を前に招集されたメンバーの状態がよくなければ、必然的に"新戦力"に頼ることになる。

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