川崎Fのすさまじい攻撃。「4バックを捨てた」鹿島の動揺を見逃さず (4ページ目)

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 0-1で折り返した後半、鹿島が4バックから3バックに慣れる前に追加点を奪ってみせたのも、その嗅覚が成せる業であろう。前半同様にボールを保持する川崎Fは後半1分、右サイドをドリブル突破したDFエウシーニョがゴール前に斜めのパスを通すと、これを登里が落とし、走り込んだ阿部が決めて追加点を奪った。

 ここでも鹿島が不慣れな3バックに対して、ポジショニングや、守備の仕方を見出す前に川崎Fは突き放してみせた。さらに川崎Fはその後、反撃を試みる鹿島をうまくかいくぐり、相手のお株を奪うカウンターを見舞う。後半27分に決まった家長の移籍後リーグ戦初ゴールとなる3点目は、まさに自陣でボールを奪取し、素早いカウンターから生まれた得点だった。ふたたび大島の言葉を借りる。

「メンバーは変わっていなかったですけど、レアンドロが真ん中にいたので、あれって思いました。相手が(DFを)3枚にして、ボランチに普段プレーしていない選手がいたので、そこは狙い目だと思った。

 あとは、高い位置からボールを奪いにくるだろうと思ったので、逆にボールを持たれたときには僕らも奪いにいけばいいなって思った。途中交代で入ってきた選手も、ハイネルとか縦に推進力のある選手だったので、そこでがんばって陣地を挽回するようなイメージでした。ゼロに抑えられればベストでしたけど、チームとしてやりたいことができた試合ではあったと思います」

4 / 6

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る