川崎Fのすさまじい攻撃。「4バックを捨てた」鹿島の動揺を見逃さず

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

「何か変化を与えたい」――。就任から9試合負けなしで首位を走る鹿島アントラーズ大岩剛監督にそう思わせるほど、川崎フロンターレの攻撃はすさまじかった。

移籍後リーグ戦初ゴールを決めた家長昭博(左)移籍後リーグ戦初ゴールを決めた家長昭博(左) J1第22節・川崎Fvs.鹿島の大一番は、前半終了間際に分岐点が訪れた。足に張りのあったエースFW小林悠をベンチに温存し、MF家長昭博を先発させた川崎Fだが、試合立ち上がりから得意のパスワークで鹿島を圧倒する。

その勢いは前半、川崎Fのシュートが8本だったのに対して、鹿島はわずか1本という数字でも示していた。川崎Fは前半3分にボランチのMF大島僚太がボールを奪取すると、MF中村憲剛へとつなぎ、最後はMF阿部浩之がフィニッシュする。その後も前半10分には家長がドリブルで中央を駆け上がり、前半25分には大島が積極的にミドルシュートを放った。

 この流れは、鹿島が攻撃的な川崎Fに対して引いて守ることなく、前からボールを奪いにいく戦い方をしたことにも起因していた。大島の言葉を借りる。

「鹿島はやり方がはっきりしていて、(ボールを)奪いにくるので、その分、ボランチの背後だとかが空いてくると思った。まずはそこを使うことを意識して、その後はサイドから攻めたりというのは考えていました」

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