鎌田なきサガン鳥栖はどう戦うのか。イタリア人指揮官が示す戦術の功罪 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Kiyoshi Ota-JL/Getty Images

 鳥栖は1-0で完封負けを喫し、10位に順位を落とした。

「(2試合連続無得点も)チャンスを作っていなかったら、考え直さないといけない。しかし、前節の柏レイソル戦も含め、チャンスは作れていた。"サッカーではこういう日もある"と自分を納得させるしかない。(MF鎌田大地のフランクフルト移籍で)チームは再び根本的にやり方を変えている。単純に代わりを探すよりも、違った形を作るしかない。嘆いても仕方なく、より質を向上させるだけだ」

 そう語るイタリア人指揮官はそもそも変幻を得意とし、策士の匂いを強く放つ。例えば、システムも4-3-1-2を基調としながら、試合展開により4-4-2、5-4-1と目まぐるしく変える。横浜戦も4-3-3でスタートし、3-4-3、3-3-4とシステムを変更。4-3-3でも守備時は1人がサイドに落ち4-4-2になるなど、戦術色が強い。

 論理がうまくはまれば、勝ち点は稼げるのだろう。しかし変化が目的を達成する手段でなく、目的そのものになってしまったら、危うい。

「守備の制約が多く、そこばかりが求められる。攻撃は個人任せで、自由もないが、形もない」

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