「福岡、強いね」の声。J2で2強を占めつつ、視線はJ1復帰後へ (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Getty Images

 今季J2は第26節を終えて、湘南ベルマーレが勝ち点53で首位に立ち、わずか勝ち点1差で2位の福岡が追っている。その一方で、2位の福岡と3位のV・ファーレン長崎とは勝ち点8差。3位の長崎(勝ち点44)から11位の水戸ホーリーホック(勝ち点39)まで、勝ち点5差に9クラブがひしめているが、3位以下のそんな大混戦を尻目に「2強」の様相を呈している。

 今季の福岡は、1点差の勝利がこの日の町田戦で10試合目。スコアレスドローも含めた無失点試合はこの試合で13試合目と、勝負強さと堅守が目立つ。

 井原監督も「(夏の移籍で加わった)新しいメンバーも入り、意思統一のところをもう少し高めないといけない」としながらも、「無失点は全員の気持ちによるもの」と選手を称える。ここまでの総失点20はJ2最少、得失点差プラス17はJ2最多と、2強にふさわしい安定した戦いを福岡が続けていることは、数字も証明している。

 だが、混戦から頭ひとつ抜け出た現状には、「難しさもある」とキャプテンのMF三門雄大は言う。

「今は湘南を追いかける立場。勝ち点3を取っていかないといけない」

 2強状態とはいえ、2位は2位。まずは、それが三門の本心である。

 ところが、勝ち点で水をあけられている3位以下のクラブは、2強にひと泡吹かせてやろうと、福岡には目の色を変えて挑んでくる。それを考えれば、今の福岡は挑戦者でばかりはいられない。「今は(自動昇格圏内の)2位をキープしているので、苦しい試合では勝ち点1を取ることも大事」なのである。

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