「ポドルスキ封じ」作戦成功。20歳と思えない柏の老獪なCBコンビ (2ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 一方で、前線からの守備には力を注いでいなかったものの、当然ながらセットプレー時にはしっかりと定位置に入り、クリアするシーンも何度かあった。守備の約束事は最低限こなしていただけに、決してやる気がなかったわけではないだろう。

 67分にMF田中英雄が退場となり、ひとり少なくなったことも影響したはずだ。2トップを組んでいたFW渡邉千真が中盤に下がり、1トップになったことで孤立無援となった。74分に抜群のキープからMF三原雅俊の決定機を導いたプレーはさすがだったが、危険な位置に入り込んでフィニッシュに至るストライカーとしての真骨頂を発揮する場面は皆無だった。

 連係面の拙(つたな)さも見て取れた。中盤の位置に降りていき、フリーの状況となりながらも、なかなかボールが出てこない。動きが少ないため出し手の視野に入りづらいこともあるだろうが、それ以上に距離感の悪さが目についた。好意的に見れば、相手を引きつけ、味方にフリーな状況を導いたと受け止められないこともないが、チームとして連動しているというわけではなく、結果的にそうなったと見るのが妥当だろう。

2 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る