流経大柏、2度目の総体サッカーV。勝利にこだわる名将に選手が共鳴 (3ページ目)

  • 松尾祐希●取材・文 text by Matsuo Yuki
  • 村井詩都●撮影 photo by Murai Shidu

 もともと、流経大柏は伝統的にチーム内競争が激しいが、今年は例年以上に選手の入れ替えが頻繁に行なわれているという。シーズン前のフェスティバルでは、大会前日にAチームとBチームのメンバーが10名ほどガラッと入れ替わったそうだ。その分、選手たちは常に危機感を持っていて、誰もが現状に満足することのない向上心を備えていった。

 そのチームを指揮するのは、本田裕一郎監督。2001年から流経大柏を率いて、ここまで数々のタイトルをチームにもたらしてきた名将だ。その監督が選手たちに求めるのは、勝利にこだわる姿勢。シーズン開幕前から、こんなことを語っていた。

「勝負事においては、やっぱり『勝ちたい』という気持ちが出てこないといけない。そうしないと、いろいろな考えやアイデア、戦術といったものが、自ら生み出せないと思う。普通にやっていても、そういうものは何も出てこない。勝ちを求めることによって、いろいろな想像力が働く。選手たちに一番強く言っているのは、『結果を出せ』ということ」

 そんな百戦錬磨の名将の言葉に、今年の選手たちはしっかり共鳴。この春、関川は「昨年はあと一歩で負けてしまっていた。今年は最後まで油断することなく、ガンガン言い合いながらやっていって、勝ち切れるチームにしたい」と話していたが、その目標達成のためにやるべきことをきちんと実践し、努力を怠ることはなかった。

 今や監督に言われなくても、選手みんなが高いレベルを要求し合える集団へと変貌。無論、結果も出せるチームとなった。

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