徳島ヴォルティスが大変貌。スペイン人指揮官のもとJ1昇格へ好勝負 (4ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Getty Images

 ところが、今季の徳島は開幕直後から好調を維持し、一躍J1昇格候補に名を連ねている。第12節から第18節にかけて、なかなか勝てない時期があり(1勝2敗4分け)、一時は順位をふた桁(10位)まで落としたものの、それ以外では概ね上位をキープ。現在(第25節終了時)、首位に勝ち点7差、2位とは同6差の3位につけ、J1昇格プレーオフ進出はもちろん、自動昇格となる2位以内も射程圏内にとらえている。

 そんな徳島の"大変貌"を支えているのは、やはりサッカースタイルの転換だろう。

今季から徳島ヴォルティスの指揮官となったリカルド・ロドリゲス監督今季から徳島ヴォルティスの指揮官となったリカルド・ロドリゲス監督 今季から新たにスペイン人指揮官、リカルド・ロドリゲス監督を迎えた徳島は、ポゼッション志向へと明確に舵を切った。低い位置からでも徹底してパスをつなぎ、攻撃を組み立てる。そんなスタイルが結果となって表れていることは、前出の曺監督のコメントからも見て取れる。

 この試合でも、敗れはしたが、特に後半の反撃には迫力があった。2点をリードされた徳島は、ふたりの選手交代を一気に行なうと同時に、選手のポジションも入れ替えて、実質2バックと言っていい攻撃的な布陣にシフトチェンジ。中盤に人数をかけ、ボールポゼッションを高めるとともに、ピッチの幅を広く使ってボールを動かし、湘南陣内にじわじわと攻め入った。

 相手守備網を横に広げ、中央に生まれたギャップをつくなど、あわやゴールかという見せ場も作っており、リカルド・ロドリゲス監督も「3つ、4つのチャンスを作れたのはよかった」と評価。結果的に得点には至らなかったため、「ボールポゼッションはできたが、点を取ることが目的だったので残念だ」とも話していたが、得点の可能性を感じさせる攻撃に見えた。

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