「G高C低」大阪ダービーはGに軍配。
首位セレッソ屈辱の20敗目

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by Getty Images

 そうユン・ジョンファン監督が振り返ったように、1点を守り切る采配を振るっていれば、逃げ切ることができたかもしれない。もちろん、これは結果論に過ぎず、実際にC大阪には追加点のチャンスがあった。64分に杉本が、74分には山村がそれぞれ決定機を迎えている。しかし、いずれもその直後に失点し、C大阪は逆転を許した。

「俺と和也君が決めていたら、試合は決まっていたと思う」

 杉本が悔しさを吐露したように、結果は紙一重だった。

 とはいえ、ユン監督が普段と異なる決断をしたのは、これまでの歴史が積み上げてきたG大阪に対する畏怖(いふ)の念があったからかもしれない。いずれにせよ、C大阪はダービーの歴史に20個目の屈辱の記憶を刻むこととなった。

 一方、勝ったG大阪は連敗をストップして3位に浮上。ひとつ消化試合の多い首位のC大阪との差を6に詰め、優勝争いに踏みとどまった。

「ダービーに勝った」ということだけでなく、G大阪にとっては実りの大きい一戦となったのは間違いない。そのひとつが、新戦力のファン・ウィジョの存在だ。高さ、スピード、決定力を備える万能型のストライカーは、同点ゴールを生み出しただけでなく、前線で起点となって厚みのある攻撃を促した。

4 / 6

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る