青森山田、東福岡、前橋育英が
早々に激突で、高校総体サッカーが熱い!

  • 松尾祐希●文 text&photo by Matsuo Yuuki

 前橋育英は、1月の選手権決勝で涙を飲んだ面々が多く残っていて、経験値の高さでは他の追随を許さない。その分、選手の質が高く、とりわけ最終ラインの顔ぶれは豪華だ。

 すでにJ1のアルビレックス新潟入りが内定している左サイドバックの渡邊泰基(わたなべ・たいき/3年)をはじめ、U-18日本代表のDF松田陸(まつだ・りく/3年)、フィード力に優れたDF角田涼太朗(つのだ・りょうたろう/3年)と皆、昨年から主軸を務め、安定した守備力を誇る。

 強力な最終ラインを後ろ盾にした、前線の戦力も魅力的だ。中盤には洗練された技術が光る双子、田部井悠(たべい・ゆう/3年)と田部井涼(たべい・りょう/3年)が君臨し、最前線には高校選抜のFW飯島陸(いいじま・りく/3年)が構えている。そんな攻守に多彩な人材をそろえた「上州のタイガー軍団」を、優勝の最有力候補に挙げる声も少なくない。

 これら「3強」以外では、米子北(鳥取県)、京都橘(京都府)、昨年の準優勝校である流通経済大柏(千葉県1)あたりが同じブロックでは有力。「3強」が潰し合って消耗するようなことがあれば、代わって決勝まで駒を進めてもおかしくない。

 一方、「3強」とは逆ブロックに入った前回王者の市立船橋。春先からメンバーを固定できず、「(チーム作りは)予想以上に苦しんだ」と、指揮官の朝岡隆蔵監督は語る。それでも、ここに来てメンバーも固まりつつあり、チーム力も日に日にアップしている。夏の大一番を前にして、そこで戦えるチームをきっちり仕上げてくるあたりはさすがだ。

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