元MVPレアンドロ・ドミンゲス獲得で、
横浜FCのJ1昇格は叶うのか

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Etsuo Hara - JL/Getty Images

 横浜FCはサイドで数的に同数を作られ、ポジション的不利に陥った。戦術的に事態を改善できない時間が続き、敗色は濃厚だった。

 しかし後半、イバがキープできるようになって、息を吹き返す

「どれだけパスを回されても、最後のところでやられなければいい、と割り切ってできた」(横浜FCのMF佐藤謙介)

 岐阜のフィジカル的な消耗か、攻め疲れというメンタルの問題か。横浜FCは相手バックラインの前でボールを持つ機会が多くなって、いくらか挽回した。スペースを得た野村直輝を中心に、好機が増えた。

 そして62分だった。GKが蹴った自陣からのロングボールをイバが競らずにスルー。裏に走り込んだジョン・チュングンがこれを拾い、右サイドの角度のないところからニアに右足で蹴り込んだ。一発を仕留めた横浜FCはその後、5バックに変更。しぶとく逃げ切っている。

「最近は自分たちが攻める展開で決めきれず、やられる試合が多かったが、今日は逆の流れになった」

 横浜FCの選手たちの多くはそう感想を洩らし、安堵していた。勝利はプロの世界で確実に足掛かりになる。ただし、勝ち点3は僥倖(ぎょうこう)に近かった。

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