勝てる試合も落としたアルビレックスの、ネガティブ思考という「病」 (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 実際、試合は、そんな浦和の現状が色濃く反映される形で進んでいった。

 序盤こそ、浦和がピッチの幅を広く使う攻撃で主導権を握ったものの、いくつかあった決定機を逃すと、次第にペースダウン。ノッキングを起こすがごとく、攻撃は停滞していった。

 しかも新潟は、35分にラッキーな形で先制(MF矢野貴章のクロスを、浦和のGK西川周作がパンチングで弾いたが、そのボールがFW山崎亮平に"当たり"、ファーサイドでフリーだったMF小泉慶の目の前へ。これを小泉が難なく頭で押し込んだ)。その後、浦和がボールを支配する時間が長く続いたものの、効果的な攻撃は繰り出せず、焦りも手伝ってか、手詰まり感ばかりを強めていた。

 新潟にとっては、これ以上望むべくもないほど、理想的な展開で試合は進んでいたはずだったのだ。

 ところが、新潟はいずれもCKから、74分、79分と立て続けに失点。終わってみれば、1-2の逆転負けである。

「1-0の時間が長かったので、守備をしっかりやってカウンターを狙い、あわよくば2点目を、という感じだったが、そのなかで失点してしまった」

 試合後、山崎がそう振り返ったように、1-0が続いたおよそ40分間のなかには、「あわよくば」の可能性は少なからず感じられた。今季の浦和がこうした試合展開で、失点を重ねてさらに傷口を広げる悪癖を抱えていることも、その可能性を高めていた。

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