Jリーグからのベルギー派遣コーチに聞く「欧州の育成は何が違うか」 (8ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko

 でもその分、しっかりと理論が整理されているし、子供たちも年齢が低いから言われたことはどんどんやって吸収していくんです。そして年齢が上がるにつれて、それを使ってどうプレーするのかを考えるようになっていくという感じです。日本では、子供のころは自分が気づいたことをイメージを持ってやってごらんといって始めるんですけど、年齢とともにああしろ、こうしろと言うようになる。そうすると、言われた時に引き出しがないということが起きる」

――教える順序が逆なんですか?

「とにかく高いレベルでできることをいっぱい増やしていって、年齢が上がるにつれてそのときどきのシチュエーションで選びなさいというようなスタンスです。それにこちらの子供たちは、叩き込んでも自分のやりたいことも積極的にやるんですよ」

――日本人は言われたことに終始しがちですよね。

「そう。だから、日本で同じテンションで同じように指導したら、それはそれでまた問題点も出てくると思うんです。言われたことしかやらない選手も出てきそうですしね。でもその傾向はサッカーだけじゃないと思う。どのくらいのさじ加減がベストなのか、わからない。しかも個人によっても違うじゃないですか。だからそのあたりは結論が出ないというか......」

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