Jリーグからのベルギー派遣コーチに聞く「欧州の育成は何が違うか」 (7ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko

 あとは思春期が早いと思います。日本の14歳くらいが12歳くらいかなという感じです。で、20人にいたとしたら、日本だったら3、4人が斜に構えて話を聞かないような感じですけど、こちらは逆で、ちゃんと聞く子が3、4人。大変ですよ(笑)。そういう難しい時期の子が多いと言われるU-13にあえてつかせてもらったりしたのは、そういう難しさに指導者がどう対処しているのかも見てみたかったからなのですが、そういうキャラの子が多くて驚きました(笑)」

――練習には真剣に取り組んでいますか?

「基本的には真剣ですし、"自分の時間"として捉えています。でも、メニューは選びますね。ゲーム形式は大好きです。

 アンデルレヒトはスキルトレーニングがしっかりしていて、ここまでやるかというぐらい、すごくいいメニューがたくさんあるんです。それはクラブのフィロソフィーにつながっていて、うちはこういう選手を輩出したい。そのためにはこういったテクニック、タクティクス、フィジカルが必要で、それにつながるスキルエクササイズがある。

 日本だと、好きでサッカーを始めて、自分でいろいろとチャレンジしながら自分で気づいていくのが望ましい。基本技術の練習もちゃんとやりますが、こういうのが大事だよ、だから身につけようね、というスタンスなんです。でもこちらでは、こういうのが大事だぞ、だからこれをやれと言ってやらせます。かなり細かく、『この技術でコントロールしてパスしたら、こっちに走れ、なぜならここから斜めにボール受けられるだろう』『ボールを受けた時に右足のインサイドでコントロールしなさい、なぜなら視野が広がるだろう』と、叩き込むんです。判断を奪うメニューも多いです。サッカーをする上での土台作りを徹底的に、という感じです。

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