Jリーグからのベルギー派遣コーチに聞く
「欧州の育成は何が違うか」

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko

――ベルギーに渡ってここまでの約4カ月間、いかがでしたか?

「JJP担当者がこの話をアンデルレヒトに提案したときに、協力するのはもちろんのこと、さらに『日本のエッセンスも取り入れたい』と言ってくれたそうです。キンダーマンスさんというアンデルレヒトのユースダイレクターは、日本の16~18歳にすごく興味を持っているそうです。ちょうど僕が来た頃にU-17日本対ベルギーの試合をスペインまで見に行って、試合中やハーフタイムに印象に残った日本人選手についてメールを送ってくるので、『あのくらいのレベルの選手はいっぱいいるよ』と返したりしていました。

 アンデルレヒトは日本人への評価がとても高いんです。ヘントの久保裕也も高く評価していて『ツボ、どうして久保裕也を連れてこなかったんだ』と冗談で言われるんです(笑)。これはベルギーのお国柄なのか、それともこのクラブのカラーなのか、なんでも取り入れようとする雰囲気を、ユースダイレクターからも感じるし、クラブからも感じます。

 あるときU-13のコーチから『こういった練習をやりたいんだけど、あなたはどう思う?』と聞かれたんです。最初はちょっと遠慮しようかなと思いつつも、『僕だったらこうするよ、テーマがこれなら、ピッチサイズを広げて......」とか、提案したんです。そうしたら実際、最初はそのコーチが考えたサイズでやっていたんですけど、しっくりこなくて、結局、僕の意見をあっさり取り入れてピッチサイズを変えてやっていました。そうしたら本人的にも納得したみたいで、『ありがとう、明日も頼むな』と。いや、そんな期待しないで、と(笑)」

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