主将・豊田陽平が描くサガン鳥栖「前半戦10位からのタイトル獲り」 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Masahiro Ura/Getty Images for DAZN

 今シーズン、鳥栖は大きく生まれ変わりつつある。
 
 例えば16節の浦和レッズ戦は、先発11人中、5人が新加入選手だった(ちなみに浦和は1人)。後半戦には、主力だった鎌田大地がドイツ移籍で抜け、ビクトル・イバルボは登録抹消、フランコ・スブットーニの放出も決定的だ。代わりに韓国五輪代表CB、チョン・スンヒョンの獲得を発表。さらにもう1人の日本人CBと、外国人も含めたアタッカーにも食指を動かしているようだ。

 変化は余儀なくされるだろう。マッシモ・フィッカデンティ監督が与えたプレーモデルを選手がアジャストさせ、バランスを見つけられるか。

「守備の安定がいい攻撃を作り出す」

 フィッカデンティはイタリア人監督らしく、守りのディテールにはこだわってきた。フォーメーションを相手次第で変えられる柔軟性も特長で、4-3-1-2、4-4-2、あるいは5-4-1でクローズするなど、守備に関しては厚みが出てきた。その上で、「自分たちでボールを動かし、イニシアチブを取る」という精度も徐々に上がっている。プレー回路ができる中、今までボールを受けるのを怖がっていた選手も意識を変えつつあるのだ。

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