3連敗で「非常ベルが鳴る」浦和レッズ。
プレー回路がガタつき始めた

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Masashi Hara -JL/Getty Images for DAZN

「チャンスを作りながら、先に決められずに失点することは、サッカーではよくあること」

 ペトロビッチ監督はそう、状況を振り返っている。

「小さなミスが出ている。例えば前半に柏木から武藤(雄樹)にパスが出て、折り返しが大きくなって(ゴール前を)通過してしまったシーンがあった。本来なら少なくともシュートに持ち込んでいたが、なぜかチャンスに結びつけられない。他にもそういうシーンはいくつかあった」

 プレーの回路は整然と働いているが、その精度が落ちているということか。リーグ戦16試合で22失点。決定力の不調が守備の乱調を引き起こしている、とも言える。

 結果的に勝負を決した90分の福田晃斗のゴールは、DFラインの緩慢なパス交換から生まれている。距離感が近すぎ、預けるだけのバックパスが遠藤航に入る。判断が鈍ったところを後ろから突かれ、かっさらわれ、カウンター一発に沈んだ。

 まさに自滅だった。アディショナルタイムにハイキックでPKを得て、李忠成が1点を返したが、一矢を報いたに過ぎない。

「5回は決定機があったが、(PK以外)決められなかった。今は得点の確率が低く、たくさんのチャンスを必要としている。また、ミスからの失点も多い」

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