永井秀樹ユース監督は伝えた。「みんながヴェルディの歴史を創るんだ」 (4ページ目)

  • 会津泰成●文・撮影 text&photo by Aizu Yasunari

「プリンスリーグが開幕する目前に、自分の現役時代のことをまとめた特集映像があったので(選手たちに)見せた。選手たちは『なんで、永井さんの特集?』と思ったかもしれない。でも、俺のサッカー人生を特集した映像だけど、それはヴェルディの歴史を紹介する内容でもあった。

 そして、選手たちには『これが、俺と緑のユニフォームの歴史だ。俺の現役のサッカー人生は終わった。これからは、みんなの時代だ。今日からは、ここにいるみんなが新しいヴェルディの歴史を創るんだ。そのためなら、俺は何でもする』と話した」

 ヴェルディの前身、『読売サッカークラブ』は1969年10月1日、日本初のプロを目指すサッカークラブとして誕生した。ヨーロッパのスタイルに、ブラジルの個人技が加わった"異端児のサッカー"はすぐに頭角を現し、1970年代から1990年代前半にかけて「国内最強」と呼ばれた。与那城ジョージやラモス瑠偉ら華麗なテクニックで魅了する選手たちは、子どもたちの憧れの存在だった。永井もまた、そんな読売サッカークラブの選手に憧れて、プロサッカー選手を夢見たひとりだった。

「もちろん、今トップチームでがんばっている若き選手たちに"バトン"を預けたつもりだけど、本当の意味で未来のヴェルディを支える、10代の子たちにも(自らの思いを)伝えたかった。『俺なんかより、もっと輝かしい歴史を創れ。ヴェルディの輝かしい未来は、みんなのがんばりにかかっている』と」

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