永井秀樹ユース監督は伝えた。「みんながヴェルディの歴史を創るんだ」 (3ページ目)

  • 会津泰成●文・撮影 text&photo by Aizu Yasunari

 プリンスリーグ関東開幕の1週間前になって、永井はようやく守備の修正に取りかかった。

 ヴェルディユースは、最終調整として、高校、Jクラブユースの強豪15チームが集結した『船橋招待U-18サッカー大会』に参加。大会前、永井は監督に就任して以来、初めて守備をテーマに40分間のミーティングを開き、初めて守備のトレーニングを行なった。大会が始まると、大量失点はなくなり、ヴェルディユースは予選を勝ち抜き、決勝リーグに進出して3位に食い込んだ。

「強豪ばかりの大会で3位になって初めて、周りも『なんだ、きちっと修正できるじゃん』となった(笑)。自分にしてみれば、選手のポテンシャルはわかっているから、最初から守備に重きは置きたくなかったんだけどね。佐伯(直哉)、土肥(洋一)というJでの豊富な経験を持つ、守備のスペシャリストふたりの素晴らしきコーチにも助けられた」

永井秀樹の、監督としての「原点」

 4月8日、プリンスリーグ関東開幕――。

 ヴェルディユースは初戦、昨年度の全国高校サッカー選手権準優勝チームで、下馬評では優勝候補に挙げられている前橋育英高と対戦。その強豪を無失点に抑えて、0対0で引き分けた。

 続く2戦目は、山梨学院高を相手にして圧倒的にボールを保持するものの、1対3と敗れた。しかし第3戦では、直前の練習試合で0対7と敗れていた横浜FCユースを4対3で撃破。リーグ戦初勝利を挙げた。さらに、4戦目の三菱養和SCユース戦も1対0と勝って、連勝を飾った。

 そして5戦目、筆者が半年ぶりにヴェルディのグラウンドに出向いたこの日、ヴェルディユースは無敗で首位に立つ川崎フロンターレU-18(勝ち点10。3勝1分)と対戦することになっていた。

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