ジュビロがアウェーでレッズ撃破。1年前とは全然違う「攻撃的守備」 (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 苦しい試合をどうにかひっくり返したことで、浦和には少なからず油断が生じていたのだろう。そのままの勢いで攻め倒すというより、じっくりと相手をいなすようにボールをつなぐなかで、一瞬のスキが生まれた。

 68分、磐田は自陣ペナルティーエリア付近で起きた浦和のパスミス(ちょっとした呼吸のズレだった)に乗じ、前線へロングパスを蹴り出す。すると、果敢に飛び出した浦和のGK西川周作のクリアが走り込んできたMFアダイウトンに命中し、ボールは浦和ゴールへ向かって転々。これを自ら拾ったアダイウトンが難なくゴールに蹴り込み、同点に追いついたのである。

 そして、ギアを上げ直そうとするも落胆の色を隠せない浦和に対し、磐田は74分に決勝点を、80分にはダメ押し点を、いずれも交代出場のMF松浦拓弥が決め、再逆転。第15節終了時点でJ1トップの総得点35を誇る浦和との、息もつかせぬ打ち合いを見事に制した。

 前評判を覆す勝利を振り返り、名波監督は「大きなポイントが3つくらいあった」と語り、勝因を挙げる。

 ひとつ目は「前節、ガンバ大阪という素晴らしいチームに3-0で快勝し、自信を強く持てた」こと。ふたつ目は「(逆転されて)1-2になったあと、もう1点決められることなく、しぶとく粘り強く守れた」こと。そして3つ目が「(同点に追いついたあと)3点目、4点目(を取りにいく)の意識が強かった」ことだ。

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