面白いと噂のジェフ。
ハイプレス・ハイラインって、どんだけ高いのか

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by AFLO

 当然、破天荒なスタイルだけでは結果にはつながらない。試合を重ねるごとにハイライン・ハイプレスのサッカーは悪い部分がそぎ落とされ、成熟度を増していったということなのだろう。極端ではなく、程よい高さ。その絶妙なバランスを、徐々に見出しているのかもしれない。

 首位の福岡を零封した守備の手応えがある一方で、佐藤は攻撃面の課題を口にする。

「立ち上がりはよかったですけど、時間が経つにつれて勢いは消えていったかもしれません。攻撃の質ももちろん重要ですけど、意識の問題も大きい。1点でも獲れば、相手は出てこざるを得ないので、自分たちのやりたいサッカーがもっとできると思う。だからまずはシュートの意識、ゴールを奪うという覚悟をもっと持たないといけないと思います」

 確かに、この日の千葉はいい形を作りながらも、得点の匂いを感じることは少なかった。スタイルの成熟の一方で、個々の意識が欠如していた。不安は自信になったが、その自信を確信に変えるには、指揮官が求めるスタイルを体現するだけでは足りないのだ。

 2009年以来、J1から遠ざかっている千葉に今求められるのは、「ハイライン」でも「ハイプレス」でもなく、勝利を得るための「覚悟」なのかもしれない。

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