面白いと噂のジェフ。ハイプレス・ハイラインって、どんだけ高いのか (2ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by AFLO

 ハイラインの実効性を知るうえで、奪ったオフサイドの数を見ても面白い。開幕戦のFC町田ゼルビア戦では11回、第6節の京都サンガF.C.戦では12回、第7節のザスパクサツ群馬戦では13回と、何度も10を超えるオフサイドを奪っているのだ。通常、1チーム当たり1試合で2~3回が平均だから、この数はちょっと尋常ではない。

 そんな千葉の特殊なサッカーが首位チーム相手に通用するのか。ホームで行なわれた第18節のアビスパ福岡戦は、彼らの力量を知るうえでも、実に興味深い一戦となった。

 どこまで極端なのか――。そんな高揚感をもってこの試合を見たためか、結論から言えば千葉のパフォーマンスにはちょっと拍子抜けさせられた。

 最終ラインは確かに高いが、「どんだけ!」と突っ込みを入れたくなるほどもでない。ハイプレスも献身的ではあったが、想像の範疇のレベルだった。むしろ感じたのは、バランスのよさ。それでも次々に福岡の選手がオフサイドに引っかかる。得点源のFWウェリントンが次第にイライラしていく様(さま)は、まさに千葉の巧みな守備の賜物だった。

 一方で攻撃面でも、よさが見えた。前線にクサビを入れて、その落としをアンカーのMF佐藤勇人やセンターバックのDF近藤直也がサイドに展開。両ウイングだけでなく、サイドバックも果敢なオーバーラップを繰り出し、厚みのあるサイドアタックを実現する。4-3-3のフォーメーションを採用した千葉は、3-4-3の布陣だった福岡とのシステムのギャップを突いて、サイドから次々にチャンスを作った。

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