鹿島・大岩監督が求めた3つのこと。
新体制でも王者の哲学は変わらず

  • 原田大輔●取材・文 Harada Daisuke
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

「相手のボールの出し手となる青山(敏弘)選手と柴崎(晃誠)選手のところへのプレッシャーが足りていなかったので、最後に小笠原を入れた。それで、選手たちにはっきりとしたポジショニングを取らせることで、(相手に)圧力をかけたいな、という考えがありました」(大岩監督)

 誰よりも試合の"勝ち方"を知っている小笠原に細かく指示を与えて、チーム全体に試合の終わらせ方を伝播させた。結果、鹿島は相手の逆襲を1点でしのいで、白星を手にした。

 完璧だった前半と比べれば、後半は受け身に回って劣勢を強いられた。降格圏に位置する広島が相手ということを考えると、修正、改善しなければいけない点はまだまだある。しかしながら、少ない準備期間を思えば、申し分ない結果だった。しかも、得点した中村やレアンドロをはじめ、FWで起用された土居らがピッチで躍動したことは、今後に向けて明るい材料ともいえる。

「中盤の中村、レアンドロは、もちろん(彼らの)ポテンシャルというものを信じて起用しましたが、彼らに言ったのは、ひとつのプレーで終わりじゃないということ。出して動く、出して追い抜いていく動きをやってもらいたいということを伝えた。

 2トップの土居と鈴木(優磨)については、(ふたりはこれまで)サイドハーフをやっていたことが多かったのですが、僕の中では特に土居は、中央で相手のボランチとDFラインとの間でボールを受ける力というのが、日本を代表する能力があるとも思っていますし、彼の得意とするプレーだとも思っている。そこで起用することで、広島を押し込んでいくイメージを持って起用しました」

4 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る