レッズ撃破で8連勝。
今年のレイソルは「夢を見られる」チームである

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

「攻撃力の高い浦和さんにボールを持たれると厳しいというのは、どのチームにも共通していること。その浦和さんにいかにボールを持たせないか。そのために、プレッシャーをかけ続けることを選択しました」

 後方にブロックを敷いて対応するのではなく、出どころを抑えるために前からプレスをかける。ポゼッション能力に長ける浦和攻略の常とう手段ではあるものの、それを貫徹するのは難しい。ところが柏は中川を中心に、その難易度の高いミッションを見事にクリアしてみせたのだ。

 試合後、その献身ぶりを称えられた中川は、自身も走り切ったという実感があったのだろう。「何km走ってましたか?」と記者に逆質問するほどだった。

「相手にはうまい選手がいっぱいいるので、サボらず走り続けることが大事だと思っていました。ハイプレスだけじゃなく、プレスバックもしっかりできた。続けることで、勝利の確率を上げることができたと思います」

 浦和の武器のひとつであるGK西川周作からのロングフィードも、中川がプレスをかけることで、その精度を低下させた。執拗にボールを追う姿は、まるで最前線のディフェンダーである。「柏のハイプレスを剥がす動きが足りずに後ろからつなげず、ロングボールが多くなってしまった」と浦和のDF槙野智章が敗因を語ったように、この試合で果たした中川の功績はあまりにも大きかった。結果的に中川は、両チームトップの12.427kmを走っている。

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