「世界2位」の石井監督を電撃解任。
鹿島にとってのクラブW杯の重み

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki

 連続出場を狙う鹿島にとって、この準々決勝の対広州恒大戦は、確実に越えなければならないハードルだった。

 実際、今季の頭から、鹿島はこの日に備えていたように見えた。「グループリーグはなんとか突破できるのではないか」とは、シーズン前に語った石井監督の言葉だが、それは言い換えれば、準々決勝以降のトーナメント戦が勝負と見る証(あかし)でもあった。

 Jリーグ勢としてACL準々決勝に臨むのは、他に川崎フロンターレと浦和レッズ。浦和が対戦する済州ユナイテッド、そして鹿島が対戦する広州恒大は、川崎が対戦するムアントン(タイ)より強敵だ。実際、浦和も初戦をアウェーで0-2と落としていた。

 鹿島のアウェーでの0-1は、まずまずの結果とも言えるが、こうした戦いで求められているのがアウェーゴールだ。0-1より1-2の方が、突破の可能性は5割増す。ホーム戦ではそれが恐怖になる。1点奪われれば、3点奪い返す必要が出る。

 試合は、開始直後こそ広州恒大のペースだったが、15分過ぎから流れはじわじわと鹿島へ移行。素早いボール奪取から鮮やかなパスワークが冴えるようになる。前半25分、鈴木優磨が決定機を外したその3分後、ペドロ・ジュニオールが中央を単独で割り、いったん転倒しかけるも、持ち直してシュート。それがゴール左隅に決まり、通算スコアは1-1になった。

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