スペインの名将がヴェルディで実践する
「J2を戦うためのサッカー」

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki 山添敏央●写真 photo by Yamazoe Toshio

 ヌマンシアでは95~96シーズン、スペイン国王杯準々決勝でヨハン・クライフ率いるFCバルセロナと対戦し、本拠地で2-2と引き分ける快挙を成し遂げた。当時のヌマンシアは2部B(実質3部)で、この試合は今も伝説として残る。そして98~99シーズンにはチームを1部まで引き上げた。

「弱者を強者に勝たせる」

 それがロティーナの評判のひとつになった。99~00シーズンにも2部オサスナを率いて1部昇格に導き、2シーズンにわたって残留させた。03~04シーズンにはセルタをリーガ4位に躍進させ、04~05シーズンにはチャンピオンズリーグベスト16に進出。さらに05~06シーズンにはエスパニョールでスペイン国王杯優勝を成し遂げた。その後もレアル・ソシエダ、デポルティーボ・ラコルーニャ、ビジャレアルという有力クラブを率いている。

 そして2015~16シーズンには、カタール2部のアルシャニアを1部に引き上げた。徹底した守備戦術に定評があり、チームのベースを作る手腕は卓抜している。

「昨シーズンのチームを分析した。とにかく失点が多すぎたし、(取られる)形も悪かった。まずはそこを修正する必要を感じた」

 ヴェルディの監督に就任したロティーナは、そう指摘していた。

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