怒涛の6連勝。柏レイソルの快進撃は「確変中」か? 実力なのか? (3ページ目)

  • 小宮良之●取材・文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Ken Ishii - JL/Getty Images for DAZN

 もっとも、柏が盤石だったわけではない。

 後半立ち上がり、センターバックが食いつき過ぎて、裏を取られる形でフリーで持ち込まれ、決定的なシュートを打たれている。この1対1でも、GK中村が鋭い寄せで立ち塞がった。

 立ち直った柏は後半9分、FW武富孝介が相手GKに倒され、PKを得たが、これは判定が覆されてしまい、再び動揺が走る。劣勢に立つが、ここでもGK中村を中心とした守備で耐え凌いでいる。

 そして、後半29分だった。DF中谷進之介が自陣内から、右サイドを走るクリスティアーノに長いボールを蹴り込む。

「クリアボールもできるだけつなげて、と思っていました」(中谷)

 下部組織からボールプレーの精神を貫く柏ならでは、と言えるか。これを受けたクリスティアーノが力強く持ち運び、鋭いボールを折り返し、中央に走りこんだ中川が合わせた。この得点で試合の趨勢(すうせい)は決まった。

 柏はそれぞれの選手が持ち味を出している。ボールスキルの高さだけに拘泥(こうでい)はしていない。全員がよく走って、適切なポジションをとる。クリスティアーノの豪快さや中川の献身が融合し、大谷がチームを引き回し、GKが潮目を変える。そうやって勝利を重ねるたび、勇敢さが増し、好循環が生まれている。

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