エスパルスを蘇らせた鄭大世の一撃。
降格した2年前の脆さは消えた

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 鄭大世のインパクトに隠れがちだが、同点ゴールを生み出したチアゴ・アウベスも、これで3戦連続ゴールと調子を上げている。正確かつ強烈な左足は間違いなく脅威であり、鄭大世と組む2トップの破壊力はJ1でも屈指だろう。

 このふたりに導かれるように、チームとして常に前に向かう意識の高さは、非常に好感が持てた。パスミスや判断ミスも多く、勝ち切れないという課題もある。それでも「2年前に比べたら闘えるチームにはなっている」と鄭大世が手応えを掴んでいるように、今の清水に降格した2年前の脆さはない。

 粗削りながらも、闘う気持ちを前面に押し出し、強引に流れを引き寄せることができる――。ある意味、予測不能な清水というチームが実に魅力的に映った試合だった。

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