もう守るだけじゃない。ヴァンフォーレ
甲府のサッカーが変わり始めた

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Hiroki Watanabe - JL/Getty Images

 Jリーグは左利きCB、SBが少ないのが現状だが、ヨーロッパでは左CB、左SBは左利きが定石。他にもボランチ、アタッカーを左利きにする場合が多いのだ。

 後半も、甲府は左サイドをホットゾーンにしながら優勢に戦っている。

 49分にはエデルが密集地帯を1人で抜け出し、ドゥドゥに決定的スルーパス。58分には、ドゥドゥがGKへのバックパスをかっさらい、フリーの松橋優に戻すも、これを決められなかった。

 その数分後には小椋が右サイドを抜け出してファウルを受け、磐田の宮崎智彦が2枚目のイエローで退場。ここを潮目に甲府の攻勢は増した。そして後半30分には左利きアタッカーの堀米勇輝を投入したが、とどめを刺すことはできなかった。結局、試合はスコアレスドローで終わった。

「相手の分析をして、攻撃はいい形でトライができた。ただ、決めるところで焦ったり、大胆さが足りなかったり......最後のクオリティを上げる必要がある。カウンターはスピードも迫力もあったが、ボールを持たされたときが課題」

 兵働は悔しげな表情を浮かべた。

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