あっさりボールを奪われる清武弘嗣。5年前の姿、まだここにあらず (4ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

「(シーズンの)最初はキヨ君がいなかったけど、途中から入ってきたのは、(攻撃力の向上に向けて)一番大きなところ」

 確かにこの日も頻度こそ少なかったものの、清武が絡むと攻撃の形ができていたのも事実。精度の高いキックによるセットプレーも、C大阪の大きな武器となっていくだろう。

 ただし、左MFを務めた柿谷も含め、バイタルエリアでのプレー機会が少なかったのは気がかりだ。清武自身も「ボールが(頭上を)越えていってしまった」と振り返ったように、連動性が不足している点を課題として挙げていた。

 守備を意識する戦いを演じる一方で、今後はそのバランスを少し攻撃に向ける必要があるだろう。もちろん、清武自身もコンディションを高め、プレーのクオリティを増していくことが重要だ。

 圧倒的な存在感を示し、ドイツに旅立った5年前の清武の姿はまだそこにはない。C大阪の浮沈のカギを握る46番の復調のときが待たれる。

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