気持ちがバラバラ攻と守。崩壊寸前のアルビレックスに打つ手はあるか (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 今季初先発のFW鈴木武蔵が語る。

「監督から、立ち上がり10分は前から(ボールを奪いに)いくと言われていた。(流れがよかったので)イケると思った」

 新潟は、28分に右サイドバックのDF矢野貴章が足を痛めて交代するアクシデントに見舞われた。それでも、交代で入ったDF川口尚紀が出場直後から立て続けに攻撃に加わった。

 40分にはドリブルで攻め込んだ川口からのパスをフリーで受けたMFチアゴ・ガリャルドが、ゴール右スミにシュートを放った。これは川崎のGKチョン・ソンリョンにセーブされるも、試合は新潟ペースで進んでいるかに思われた。

 ところが、「試合の入りは悪くなかった。今日はイケるかなと思ったが、流れがよかっただけにイケイケになってしまって......」と川口が悔やむように、惜しいシュートの直後に起きたプレーで、新潟の淡い期待は無残に打ち砕かれてしまう。

 川崎にゴールキックからのボールを、間延びしてぽっかりと空いた中盤でつながれ、最後はMF阿部浩之からFWハイネルへのスルーパス。これをハイネルに難なく決められ、新潟は先制を許した。

 一瞬のスキを突かれただけの、ある意味でやむを得ないようにも見える失点。だが、この失点には伏線があった。

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