強いのに、ここ一番で勝てないレッズの「勝負弱さ」をどうしたものか (4ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 浦和は昨季CSの借りを返そうと、意気軒昂(いきけんこう)にこの試合に臨んできたが、またしても勝負強さで上回った鹿島の返り討ちにあった。

 それにしても、浦和は大一番で勝てない。鹿島とは対照的に、そんな"勝負弱さ"が目につく。

 昨季CSから続く印象が鮮烈なため、ともすると浦和は鹿島に苦手意識があるかのようにも見えるが、最近の対戦成績はむしろ浦和に分がある。ペトロヴィッチ監督が就任した2012年以降、リーグ戦での対戦成績は昨季までの10試合で7勝1敗2分け。天敵どころか、"お得意様"と呼んでもいいほどの好成績だ。

 実際、この数年、浦和は確実に強くなってきた。

 浦和はペトロヴィッチ監督が就任し、今季で6年目。強化の途中にはマンネリからくる停滞を感じた時期もあったが、その後、もう一段強さを増した。

 一から攻撃を組み立てられるビルドアップ能力は、J1最強と呼ぶにふさわしく、攻守の切り替えも速い。ひとたび敵陣に攻め入れば、ボールを失っても高い位置ですぐに奪い返し、対戦相手をゴール前に閉じ込めたまま攻撃し続ける迫力は、J1の他チームが持ち得ないものだ。

 目指すサッカーの完成度は高く、ペトロヴィッチ体制下では今が最強と言っていいだろう。今季も開幕戦こそ横浜F・マリノスに敗れたものの、その後の7試合は6勝1分け。圧倒的な強さを見せていた。

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