トップ公式戦初出場の久保建英に見る、メッシのデビュー戦との共通点 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

「応援に聞き入ってしまって、集中できなかったらどうしよう、と不安でしたが、そうはならなかったですね。スタジアムに入ってきたときは観客が多くて緊張しました。でも、ピッチに入ってからは緊張している場合じゃないので」

 久保はデビュー直前の心境を語っている。15歳らしいあどけなさも残る。しかし、プレーヤーとしては大人と比較して遜色なかった。

 トップ下、もしくはセカンドストライカーとして登場。交代直後に平然とシュートを放つ(DFがブロック)。堂々とパスを弾き、味方にパスを要求し、相手ボールのときのプレス強度も高かった。

「落ち着いていて、15歳とは思えませんでした。ゲーム慣れしているというんですか。短い時間で、何をすべきか感じ取って、我々にとって嫌なことをしてきました」

 札幌の四方田修平監督は賞賛を送っている。
 
 そして久保は後半83分、才能の片鱗を見せた。ギャップに入ってフリーでボールを受けると、淀みなくターンした後、躊躇(ためら)うことなくボールを前に運び、左足シュートまで持ち込んでいる。直前に後ろからチャージを受け、これはFKになったが、前に行く果断さ、高いボールスキル、シュートに持ち込む強引さ、どれも15歳のそれではなかった。

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