首位が目前のガンバ。天敵F・マリノスを撃破した強さはホンモノか (4ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Masahiro Ura/Getty Images for DAZN

 なるほどJ1では2位につけるガンバも、ACLではグループリーグ5試合(全6試合)を終え、1勝1敗3分けでグループ最下位に沈む。決勝トーナメント進出は、かなり難しいと言わざるをえない。

 それを考えると、「非常に強い勝ち方」も一転、「不安定な今季を象徴する試合」だったことになる。「後半のようなサッカーを90分やれればもっとよくなる」と倉田が語るのも無理はない。この試合でキャプテンマークを巻いた背番号10は「(相手に合わせるのではなく)自分たちのスタイルを貫くスキルを身につけないといけない」と続ける。

 どこをどう見るかによって評価が大きく変わる試合とは、すなわち、ガンバが強さと弱さの両面をさらけ出した試合に他ならない。

「苦しい時期はあったが、そこから盛り返して5月を迎えられる」

 長谷川監督はそう話し、チーム状態が上向いていることをうかがわせるが、その戦いぶりはまだまだ安定していない。長年ガンバでプレーし、いいときも悪いときも知る遠藤が語る。

「前半はいい形があまりなかった。(ただボールを回すだけでなく)緩急をつけないと崩せない。そこは急にはよくならない」

 勝つには勝った。首位・浦和の背中はもう目の前。結果のうえでは好調に見えるガンバだが、評価の難しい戦いは今しばらく続きそうである。

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