首位が目前のガンバ。天敵F・マリノスを
撃破した強さはホンモノか

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Masahiro Ura/Getty Images for DAZN

 遠藤は「内容はどうあれ」と前置きしたが、内容に関しても、ある意味で非常に強い勝ち方だったように思う。

 確かに前半は、FW長沢駿が「まったりしたゲームだった」と表現したように、互いに効果的な攻撃が少なく、目立った動きがない試合だった。「お見合いする時間が長かった」とは、長谷川監督の弁である。

 だが、ガンバは後半59分、長沢とFWアデミウソンを同時投入したことで、試合の流れを一気に手繰り寄せた。2トップを入れ替えたことで攻撃は各段にスピードアップし、迫力を増した。64分にMF堂安律のゴールで先制してからもなお、F・マリノスの反撃を確実にはね返しつつ、追加点のチャンスを作り出した。

 まったりしていた前半にしても、ほとんどの時間でボールを保持していたのは、ガンバである。F・マリノスにボールが渡ったときでも、確実にサイドへ追い込んで奪い返すことができており、ほとんどチャンスを与えてはいない。

 しかも、MF倉田秋が「みんなが気持ちを出せている」と話したように、ガンバは球際での争いで常に優位に立っていた。ガンバからは、単に技術や戦術だけのことではない、相手を凌駕するような力強さが感じられた。

 AFCチャンピオンズリーグと合わせて過密日程が続くなか、前半は省エネで時間をやり過ごし、後半に切り札を投入して勝負を決める。対戦相手にどれほどの勝機があったかという意味で言えば、最少得点差の1-0とはいえ、完勝と表現してもいい勝利だった。というより、そう見ることも可能だった。

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