大宮がダービーで見せた「瀬戸際の力」。弱すぎた流れを断ち切れるか (4ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki 山添敏央●写真 photo by Yamazoe Toshio

 大宮はディフェンスラインがクロスの雨をはじき返した。中盤もスライドを繰り返しながら、自由にクロスを入れさせなかった。たとえ1人抜かれても、2人目がカバーした。まさに、一丸となった戦い方だった。

「(大宮は)瀬戸際に立っている中で、力が出せたのかもしれません。ダービーということで、フィジカルパワーを持って試合に入れました。今までは失点を先にしたり、選手がリズムを出せなかった。ただ、4月に入ってからはルヴァンカップや清水エスパルス戦など、よくはなってきていた」

 安堵したように語った渋谷監督だが、勝って兜の緒を締めている。

「チャンスはもっとあったので、"決めきる力"の部分は、課題としてあると思います。集中力を高め、鋭さを見せる......上のチームにはそれがありますから。今日は選手が本当によく頑張りましたが、ここでひと息つかずに、戦えるように」

 埼玉ダービーの勝利は、選手たちに自信を与えるだろう。その自信で、大宮は旋回できるか――。指揮官はすでにルヴァンカップ、ベガルタ仙台戦(5月3日)を見据えていた。
  
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